ビッグバン宇宙論に救われて

ビッグバン宇宙論というのをご存知ですか?宇宙は大爆発から始まった、というアレです。

最新の宇宙論は少し違っていて、ビッグバン爆発の前にインフレーションという超拡大が起こっていたりするのですが、私は専門家ではありませんので、正確な知識は専門書を見ていただくのが良いかと思います。

そんなビッグバン宇宙論のなかに、以下のような説があります。

 

「宇宙の最初期には、宇宙には物質と反物質がほぼ同量だけ存在していた。

物質と反物質が衝突すると対消滅という現象を起こして消滅するのだが、たまたま物質が反物質よりほんの少しだけ多く存在していたため、反物質が全て消滅しても物質が少しだけ残った。

このとき残った物質だけで、現在の宇宙は構成されている。」

 

私はこの説を見た時、雷に打たれたような衝撃をうけました。

というのも、私は子供の頃から死ぬことが非常に怖かったのです。

同じような感情を持たれた方も多いかと思いますが、自分がどこから来てどこへ行くのかという疑問を突き詰めた結果、自分が死ぬことを想像しただけで涙が止まらなくなるくらい、自分の生に執着していました。

自分が死んだ瞬間に自分の存在は消散し、世界は何事もなかったかのように進んで行く。もちろん自分が生まれる前の時代に何の意味もなく、自分の存在だけに意味があるというような考えを持っていました。 

ところが、ビッグバン宇宙論は、科学の立場から私の恐怖心を打ち砕いたのです。

もちろん、人間である私の寿命は限られていますが、私の体を構成する物質は、全て宇宙の最初期から(つまり138億年前から)存在していることになります。

そして私が死んだ後も、私の体を構成する物質はその形を変えながら、恐らく宇宙の終わりのころまで存在しているであろうことが現在の宇宙物理学から読み取れます。

つまり、人間としての私の存在はほんの100年にも満たないわずかな時間に限られますが、物質としての私(の体)は、その形を変えながら、無限とも言える宇宙の寿命だけ存在しつづけるのです。

重ねて言うように私は専門家ではなく、ビッグバン宇宙論も本で読んだだけですので、これらの考えが全く間違っているのかもしれません。

でも、これが私を救ってくれたビッグバン宇宙論なのです。